私がオススメする『上手くなる方法』④
◆脳とジャンル分けのズレ
なぜこのような過程が良いかといいますと、囲碁に限らずどんな業界でも
『人間が決めた種分け』の通りに脳が成長するわけがないからです。
つまり『死活』、『布石』、『戦い』、『ヨセ』というのは
人間が便宜上分けたジャンルですから、そのジャンルを勉強したからといって
脳がそのジャンルだけのレベルアップをするはずがないのです。
先ほどの死活の例で言いますと、死活には私がわかるだけでも
急所、形、手順、視野など死活以外の分野でも必要な要素が入っています。
ですから他のジャンルが上手くなると
なぜか死活が上手くなっていたりするのです。
囲碁に限らず、螺旋階段で上手くなっていくイメージで
今、その時にやりたいことをやっていくのが良いでしょう。
それを様々なジャンルでやっていくと
ある時、意外なことができるようになっていきます。
◆私のレベルアップ経験
私は趣味でバドミントンをやっていますが
バドミントンでも似た傾向があることを知りました。
バドミントンの色々なジャンルが少しずつレベルアップしていったのですが
一例を上げますとヘアピンがあります。
ヘアピンというのはネットすれすれで、相手コートにシャトルを落とす技なのですが
文字通り女性のヘアピンのような軌道で、ネットを上から跨いで落ちる軌道になるように、ラケットでシャトルをコントロールします。
ヘアピンの練習はほぼ毎回するのですが
それで試合で使えるようにはなりませんでした。
しかしある時。
フットワークの練習に取り組み始めると
試合でヘアピンができるようになりました。
理由は、フットワーク練習で移動スピードが上がったので
ヘアピンをする時に重要だった腰を入れる余裕ができたからです。
苦手だった死活が、布石の勉強の成果で
『視野の広さ』が上がったのと似ていますね。
◆おわりに
このように、囲碁もバドミントンも他の趣味も、何が関連してどのジャンルが上がるかは、指導者もあまり系統立ててはいないのではないでしょうか。
囲碁も書店ではジャンル分けしたタイトルのものしか置いてないですよね。
その方が買う側も売る側も便利だからです。
しかし実際の脳はそのようにはレベルアップしないのは先のお話の通りです。
ですから上手くなる人は、その時に一番やって楽しい課題に取り組み
良い意味であきらめることが重要なのかなと思います。
ただ、私が囲碁を指導する時に意識していることは
子供にはその課題を愚直に続けさせることです。
子供には時間とエネルギーがあるからです。
我々大人は社会生活の中では
時間もエネルギー(気力ですね)もありません(笑)
ですから効率良く上手くなるには
やりたいことをある程度取り組んで
そこで一旦置いて、次のやりたいことに取り組む。
このサイクルが、上手くもなりますし
楽しい趣味の時間を送れるのではないでしょうか。
『うまくなる過程と結果を楽しむ』
これが趣味の楽しみの1つかもしれませんね。